問題提起について
ⅱ 問題提起について
私は研究で「回復」についていくらか明らかにしたいと思っていた。しかし文献を調査しても「原因」-「回復」という構造で論点を展開しているものが多く、「回復」は「原因」の延長線上に存在するものであり、「原因」をどれに設定するかによって大きく異なってくるものであった。よってこの論文では主に摂食障害の医学的見解と社会学的見解を文献で取り上げるのみとした。
そして自助グループでフィールドワークを行えば、オリジナルの「回復のモデル」がすぐにでも見つかると予想していた。しかしミーティングに参加していくうちにある壁にぶつかるのである。
私はミーティングに参加して代表の人々や参加者に「摂食障害の回復とは何か」という疑問をぶつけて回った。するとほとんどの人から同じ答えが返ってきた。それは「人によってそれぞれである。」という答えだった。
この回答は抽象性が高く、問題提起の結論になり得るのは難しかった。そしてこの回答をより具体的なものへとしていくためには当事者本人へのインタビューが必要であった。しかし先行研究で当事者へのインタビューを行っているものはいくつか存在し、またこの方法の調査は当事者に精神的苦痛を与える危険性もあった。